2014年1月25日土曜日

城山三郎

 


  日本の経済小説の開拓者。2007年3月に79歳で亡くなる。
実はこの人の小説は読んだことがない。
なのにファンなのだ。専らエッセイから入った。
古本屋で通勤時に読む文庫本を当てもなく探していた時に、
「打たれ強く生きる」を見つけた。
打たれ弱い僕としては、何か人生の秘訣を教えてもらえそうな気がして、
迷わずに購入した。面白かったので続けて何冊か読んだ。
中でも「そうか、もう君はいないのか」と言う、
癌で先立たれた奥様のことを書いた本には泣かされた。
妻亡き後の生活の中で、ふと思わず今は亡き奥様に話しかけてしまう。
そして本の題名の様な気持ちになるのだ。
恋人時代のことや、結婚生活での思い出が、
奥様への愛情こまやかに描かれている。
涙なしには読めない一冊であった。    オ。