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2008年10月20日月曜日

「不思議の国のアリス」


 相当むかしの作品だ。30年くらい前かな?
なにしろサインが現在のものと違う。
今は「いはら」だけど、当時は「いばら」だった。
古い感じが伝わるように、カラーでスキャンして、
紙の黄ばみも写してみた。
とくとご覧下さい。

2008年9月15日月曜日

「彼岸花と少女」


 むかーし、描いた作品。
かなり手抜きの絵だ。
切り絵と言う画材の特徴は、下絵がかなり下手でも、
切り絵にしてみると、なんとなく絵として様になって見えるという点がある。
これなぞその良い例だ。

2008年7月5日土曜日

1997年8月号「走れ跳べ仔馬」


 澄み切った夜空にまんまる満月。
丘の畑のその上を、風に乗って空を飛んだら、どんなに気持ちが良いだろう。
都会から離れているから、空気がきれいで、
夜なのに月の光で、景色がくっきり見えるんだ。
仔馬のひずめは宙を蹴って、パカパカと心地よい音色を響かせる。
仔馬の背中に乗っているのは、もちろん君であり私なんだ。
あたりには誰もいないから、ちょっと歌でも唄おうか。
「ゴホン、ゴホン、本日は晴天なり。17番、唄います」
始めはためらいがちに、その内大胆に、
大声を張り上げて、思いっきり歌って笑った。
真夏の夜の、君と私の観た夢の話。

2008年6月30日月曜日

1999年2月号「狐の嫁入り」


 お天気雨のふる日には、山の中で狐の嫁入りがおこなわれている、と言う。
よく晴れていて日が照っているのに、急に雨にふられて、
不思議な気持ちになることがあるが、あんな時に狐の嫁入りがあるわけか。
また昔話で、夜中に山裾や川原で、正体不明の灯りを見ることがある。
それを狐火と呼んで、狐火がいくつも連なって見えると、
あそこを狐の嫁入りが通っているのだ、と思ったという。
この絵は私が講師を務める、切り絵教室で、生徒さんが描いてきた作品に、
私ならこう描くと、参考までに描いたものだ。
新潟の祭りの写真から起こした。
普段自分が描かないような題材も、こうして縁あって描いて見ると、面白いなと思った。

2008年6月25日水曜日

1997年2月号「約束の地」


 時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。というのはだれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、逆にほんの一瞬と思えることもあるからです。なぜなら、時間とはすなわち生活だからです。そして人間の生きる生活は、その人の心の中にあるからです。
ミヒャエル・エンデ作「モモ」より。

なるほど、名文ですね。私にはとても書けない。
皆さんはどんな時間を過ごしていますか?
私はほとんど、ボーッと暮らしています。なにか約束でもなければね。

2008年6月18日水曜日

1995年10月号「星に誓った願い」



 *この頃の切り絵には文を添えていなかった。
この年の夏、八ヶ岳にキャンプに行った思い出を描いてみた。
今見れば背景の樹木の書き方が、ちょっとうるさい感じがする。
ただ夜景は切り絵にうってつけの題材だと言うことがよく分った。

2008年6月14日土曜日

1996年5月号「心の窓」


 この頃は、私はまだこの同人誌に文は書いていなかった。
切り絵も自分の手元にある物を、ただ気まぐれに送っていたのだ。
自分の絵が印刷物に載るのが、単純に嬉しくて無責任に送っていたのだ。
だから当時の絵は、縦横比もまちまちで、どのようにレイアウトされるかも、
完全にあちら任せの気分でやっていたのだ。
締め切りをまもる意識もあまりなく、載らない号があっても、大して気にしなかった。
これの次の号の時、文も書いて欲しいと言う、編集長の言葉が私の絵に添えてあった。
それから、レギュラーとしての意識が芽生えてきて、
毎月締め切りを落とさずに十年以上描き続けている。
今振り返れば、この連載のお陰で、毎月少なくとも一枚は、
必ず新作の切り絵を描く事になったのだから、
いくら感謝しても有り余るほど、有難い環境を頂いたと思う。
ポレポレの会の皆様、有難うございました。

2008年6月11日水曜日

2008年7月「カーマ・スートラ」


 昔の作品を描き直した。
30年程前は、自分が何を描きたいのか分らずに、こんなものも描いていた。
当時は、どうしてもこれが描きたいという、気持ちもなしに描いていた。
たまたま出会った、切り絵と言う表現手段は、下手な絵も上手く見える。
と言うことに気付いて、このジャンルで作品を書き溜めていけば、
自分でも絵の世界で、やって行けるんではないか。
等と淡い期待を抱きながら、描きたいものも無いまま、とにかく描いていたのだ。
あれから長い時を過ごし、作品を増やしてゆくうちに、
知らない間に、自分が書きたいものだけを描くようになっていた。
今回生活に追われ、新作を描く気力の湧かないまま、旧作描き直したのだが、
描いているうちに今現在の、自分の絵として蘇ったのだ。
*こう言う作品は普段描かないのだけどね。

2008年5月27日火曜日

2000年6月号「夜の海・フルート」


 この絵を見た妻に言われたことだ、妻は管楽器の演奏家だ。
「潮風の中では楽器を演奏しない。楽器がさびてしまうから」だそうだ。
なるほど絵としての面白さだけで描いていると、こうした間違いをしてしまう。
ところで錆びると言えば,私達の心のいかに錆びやすいことか。
何かを志して始めても、長続きがしないのだ。
嫌なことがあればやめてしまう。問題がなくても直に飽きてしまうし、
最初の目的からずれていったりする。
私などはせっかく始めたアルバイトも、ボランティアも長続きしないのは、
何故なのか?情けないけどそうなのだ。
いつも同じような局面で嫌気がさしてしまう。
でもそれは止めたい。もともとの動機に帰って、初心を持って続けよう。

2008年5月22日木曜日

2004年8月号「ひまわり」


 今年の夏は、まだこれからだと言うのに、なんて暑さだ。
先日は暑さのために人が3人死んだと言う。なんてこった。
なにしろ外気が体温を上回る数字を示しているんだから。
さもありなんと言うべきか。我が家でも子供、女房、私と、
順番に夏風邪を引いて苦しんだ。高熱、せき、のどの痛み、鼻詰まり。
それがいっこうに良くならない。一度良くなったと思ったら、またぶり返した。
仕事にはならないし、家に居ても子供の世話で休めない。
連日暑い日が続いて、いらいらもしてこようと言うもの。
買い物などに出掛けて、店員の態度が悪かったりすると、本当に頭にくる。
まあ、今はなんとか回復してきました。皆さんもお体お大事に。
*例のよって、この文は今現在のものではありません。
私も家族も元気です。ご心配なく。

2008年4月13日日曜日

2004年10月号「河童の水垢離」


 こんなものを描いた。思うにこの夏は身体の故障が続いたからかも知れぬ。
夏風邪がようやく治って間もなく、風呂掃除をしていてぎっくり腰になってしまった。
三日三晩、身動きもならず、寝返りを打つにもうめき声をあげた。
それが落ち着いた頃、歯痛が襲ってきた。余りの痛さに食事が進まないほどだ。
その後が腱鞘炎、結膜下出血と続いた。
これで打ち止めのようだが、意識下で厄払いでもしたい気持ちが働いたのだろう。
他人事のようだが、毎回何の絵を描くかは締め切りが近付くまで、
自分でも分らない。切羽詰っていきなり思いつくままに、下書きを始めるのだ。
だから夢判断のように、その時々の自分の内面が、
切り絵を通して、透けて見えてくるのかもね。
*例によってこの文は昔書いたものです。
現在は健康でぴんぴんしてますからご心配なく。

2008年3月26日水曜日

2001年5月号「海とカモメ」


 暖かくなってきた。たまには何処か一泊旅行がしたい。
似顔絵描きという職業柄、関東近郊の観光地に出掛けることはよくある。
でもそれは仕事で行くのであって、少しも観光気分に浸れるものではないのだ。
それでも以前、仙台での仕事の翌日に休みを取って、
松島で遊覧船に乗ったことがある。
甲板に上がって見物すると、船の後から何十羽というカモメが追いかけてきて、
なかなかの壮観である。観光客の投げる餌が目当てなのだ。
わざわざパンくずの撒き餌が一袋いくらで売っている。
手のひらに乗せたパンをカモメが飛びながら、
上手いこと咥えていくのは、とても愉快だ。
そんなことを思い出しながらこの絵を描いた。
結婚して2年になるが、新婚旅行はまだだ。
*この文は昔書いたもの。その後、新婚旅行には行きました。

2008年3月25日火曜日

1996年10月号「ちっぽけ劇場の朗読会」


 西荻窪の近くに人形劇公演を専らとする「ちっぽけ劇場」がある。
そこの稽古場で毎週木曜日の夜開かれる朗読会、「ことば塾」に通った。
皆さんに朗読の楽しみを披露しよう。
一、毎週一度,出掛けて行く時と場を持つということ。
一、人との関わりの場があること。一、大きな声を出すこと。
一、長くやっていると呼吸が整ってくること。
一、人前で話す勇気が培われること。
一、自分の朗読で人が感動してくれる喜びがあること。
一、書店で朗読のために本を探す楽しみがあること。
一、必然的に本を沢山読むようになり心が豊かになること。
皆さんもやってみませんか。
*12年も前の文です。この劇場が今もやっているかどうか分りません。

2008年3月23日日曜日

2005年10月号「リアルビジョン」


 最近こんな仕事がしたいと思っている。
日頃からテレビの旅行番組を好んで見ている。
タレントが地方に出掛けて、美味しいものを食べたり呑んだりするのを観るのが好きなのだ。
自分がしたいと思っていることを、テレビの中でタレントがやっている。
それを観て追体験しているのだ。
それでしたい仕事と言うのは、料理や旅行雑誌の依頼で地方に行き、
旅先の風景やら料理、出会った人の似顔絵等を切り絵で描き、
紀行文を添えるのだ。大好きな旅番組の出版メディア版と言ったところか。
また美味しくて有名な飯屋や居酒屋を訪ねて、
同じような趣向で頁を作るのだ。これが出来たら最高に楽しいと思うのだ。
さあやるぞーっ。そのために心の世界、創造の大地にしっかり根を張るんだ。

2008年3月3日月曜日

2004年11月号「私は猫になりたい」


 妻との雑談中、戯れに「もし生まれ変わるとしたら、
何になりたいか」などと言う話になった。
妻はは飼い猫のひかるをちらっと見て、「猫がいい」と言った。
その訳は一日中寝ていても誰にも怒られない。
働かなくても餌をもらえる。トイレの掃除もしてもらえる。
気が向いた時だけ人間に遊んでもらい、毛づくろいをしてもらう。
何でもマイペースで人の顔を伺うこともない。
話している内に自分のことになり、
「だって生きているのがこんなに辛いんだもの。
朝起きるのが辛いんだもの。安心して寝ていられないし、
職場では同僚に苛められるし、人が恐いし、
皆がわたしを責めるし、私はどうしたら良いか分らないんだもの」
私は何と言えば良いのか分らなくなった。

2008年2月16日土曜日

2004年5月号「異界で温泉気分」


 鉛筆が走るにまかせて下書きを描いた。
最初から何を描いてやろうという意図はなかった。
その内、こんな絵が出てきた。
後は興に乗ってイメージを整えていって、この切り絵になった。
「どこか遠くでゆっくり温泉にでも浸かりたいなあ」
と言う日頃の願望が、このような形で出てきたらしい。
テレビで好んで観るのは専ら旅番組だ。
余り売れなくなった俳優やタレントが、旅先で珍しいものを食べ、
絞りたての地酒を呑んだりするのを観ながら、
妻に「この人も仕事があって良かったなあ」等と、
失礼なことをほざいているのだ。
仕事柄、泊まりの出張イベントもあるが、
現地では会場に直行で、旅行気分にはなれない。
せめて移動中の缶ビールに精一杯の旅情を思うのだ。