2008年5月5日月曜日

2002年6月号「男と海」


 美術学校生の頃、船旅をした。デッキから眺めると360度ぐるりと海だ。
水平線がなんとなく丸みをおびて見えた。
「なるほど地球は丸いと言うのは本当だな」と一人で納得した。
この海の水は世界中の海岸とつながっている訳だ。
川を遡ればあらゆる国の内陸までつながってもいる訳だ。
また視点を変えれば、海は生命の源でもある。
生活のために毎日くたくたになるまで働いている、
忙しい日常から離れて、ふと海を観に行きたくなる時がある。
海を間近で眺めていると、懐かしいような、怖いような気分がするのは何故だろう。
遺伝子の中の生物進化の記憶が、うずいているのかも知れない。
ところでこの絵を見て女房が言った。「なんだかやつれた阿部寛みたいね」

2008年5月4日日曜日

1998年4月号「重圧」


 「人生とは重い荷を背負って、長い坂道を登ってゆくようなもの」
と徳川家康も言ったようだが、仕事が思い通りに運ばなくて、
なんだか得体の知れないものに,押し潰されそうな気分になっている時、
この絵の様なイメージが湧いてきて、一気呵成に描き上げてしまった。
描きながら自分で「すげーの描いてるな」と驚いていた。
なんだか夢中になってカッターナイフを操っていたが、
台紙に貼って完成させた途端、ふっと息が抜けるような気分になって、
身体が軽くなったようだ。
好きでやっている切り絵だが、仕事となればストレスになることもある。
今回これを描いてみて、いつも描いている好感度の高い作品は、
私の本心だったのか?と、少し疑った。
*この作品を載せていた頃は、作品のサイズが統一されておらず、
まちまちだった。私が心の世界を描いた走りかも知れない。

2008年5月3日土曜日

2001年9月号「ちょっとペイネ風」


 レイモン・ペイネの恋人たちを描いたイラスト世界には、熱烈なファンがいて、
各地で開催される作品展には、追っかけも居るらしい。
中高年の女性が多いようだ。この作品は、私が教えている切り絵教室で、
そのペイネ・ファンのリクエストに応えて描いたものだ。
その筋からクレームなど来ても困るので、自分の絵にしてあるが、
ペイネの強烈な個性は、私の切り絵として、消化吸収しきれずに、
「この絵はペイネのまねだぞう」と言われているようで、恥ずかしいのだ。
そして私風とはどんな風だ?と思ったりするのだ。
出版社に持ち込みに行けば、
「桜祐と言えばこれだ!と言うようなものが無い」などと言われる。
ようし、研究努力がんばるぞう!

2008年4月29日火曜日

2000年3月号「結縁招き猫」


 招き猫が右手を上げればお金を招く。左手を上げれば人を招く、と言われている。
そしてこの二匹寄り添った猫は、縁結びのお守りだとか。
お金は欲しいけど、一人でお金だけ持っていてもつまらない。
友人が集まってくれば嬉しいけど、一緒に食事でもしようと思ったら、
やはり先立つものが必要になる。お金があって友達にも恵まれて、
恋人が出来たら最高だけど、なかなか思い通りにはならないものだ。
思い通りにならないこの世を忍土と言う。
忍の字は心の上に刃を乗せてあることで、厳しい世界をあらわしている訳だ。
厳しいからこそ我々のようなひ弱な人間が苦しむことになる。
せめてこの結縁招き猫に恋人が出来ますようにと祈りましょう。

2008年4月28日月曜日

2000年5月号「五月人形」


 五月五日は端午の節句、男の子の節句である。
七歳以下の男の子の居る家では,鯉のぼりを飾ったり、
武者人形を飾ったりして、子供の成長を祝う慣わしがある。
鯉のぼりは鯉の滝登りの伝説から、子供の立身出世を願う心。
武者人形には武芸に長けた、たくましい武士に育って欲しいと言う、思いが込められている。
いずれにしても昔から、親が子供の将来に願うものが、
立身出世であるというのが、ちょっと寂しい気がする。
日頃から真面目に、一生懸命に生きてさえ居れば,それで良いではないか。
その結果として、社会に成功したと言うなら、それに越したことは無いが。
何でもいいから立身出世ではなく、「私は何がしたいのか」が先だろう。
悔いの無い人生の目的を探そう。

2008年4月23日水曜日

1999年4月号「千客万来」


 「笑う門には福来る」などと言うが、以前テレビで、
「笑い」には人間に内在する自然治癒力を強める効果がある。
と言っているのを観たことがある。そうかも知れないと、妙に納得してしまうのだ。
話は変わるが、「OL進化論」というマンガが大好きだ.
秋月りす、と言う女流漫画家の作で,他に「かしましハウス」等があって、
どちらも単行本を見つけたら、必ず買ってしまう。
そして読み終わった巻でも、何回もくりかえして読むのだ。
「どうしてこんなに飽きないのか?」と疑問だったが、ようやくわかった。
登場人物がいつも笑顔に描かれた、このマンガに癒されていたのだ。
当人だけでなく、まわりも元気にしてしまうのが笑いなのだ。

*今日、又絵を取り込むことが出来なかった。直し方など分らないのだ。
私は馬鹿の一つ覚えで、友達に教わった通りに、やっているのだが、
それでエラーが出るとお手上げなのだ。暫く文だけになるのかも。

2008年4月18日金曜日

2005年8月号「おばけ屋敷」


 息子は現在3歳半だが、私の影響でちょっと変わった趣味をもっている。
おばけが好きなのだ。「ゲゲゲの鬼太郎」や「怪物くん」のレンタルビデオを、
一緒に観たところ、私より夢中になってしまった。
正月に「大・水木しげる展」に連れて行ったことも、
その勢いを加速させる原因になったようだ。
先月は義母と妻に連れられて、大型スーパーで開催されている、
お化け屋敷にも行ったが、こちらは恐がって入らなかったという。
恐いもの見たさの気持ちはあるが、人一倍恐がりなのだ。
それを聞いて、かえって安心したのは何だろう。
就寝前の寝物語に「恐い話をして!」と請われて、しかたなく、
余り恐すぎないように、恐い話をしているのだ。
*この文は3年前に書いたものだ。当時は水木しげるが、
今のように大ブレークしてた訳ではない。
お父さんとしては先見の明を、ちょっと自慢して良いのではないか?
*今、画像が取り込めなくなってしまった。
処理の仕方が分らないので、暫く更新できないかも。トホホ。
*翌日恐る恐るやってみたら、今度は出来た!?。よくわからない。