2008年5月22日木曜日

2005年4月号「友人M」


 私の友人M君を紹介しよう。彼を一言で表すなら、融通のきかぬ正直者。
裏表の無い人、とでも言おうか。それは良くも悪くもであって、
彼が我々の似顔絵仲間に入って来た当初は、その正直さゆえに、
随分人と衝突もし、人を傷付けもした。
私も初対面の彼の印象は、余り良いものではなかった。
彼はまるで、世界中を敵にしているように見えた。
抜き身の刀の様にぎらぎらしていた。だが時は人を変える。
一緒に働いて、長い時間を共に過ごした。沢山話もした。
段々と彼のすさみが剥がれ落ち、魂の透明さが姿を現してきた。
傷付けたのは傷付きたくなかったから。
愛さないのは愛されないと思っていたから。
私の見るところ、彼も似顔絵を描き、描かれして癒された私の魂の同志だ。
最近の彼は優しい眼をしている。会った頃の彼とは別人だ。
人はこうも変われるものなのだ。彼は隠しているが、
実は私に負けぬくらい涙もろいのではなかろうか?と思っている。

2004年8月号「ひまわり」


 今年の夏は、まだこれからだと言うのに、なんて暑さだ。
先日は暑さのために人が3人死んだと言う。なんてこった。
なにしろ外気が体温を上回る数字を示しているんだから。
さもありなんと言うべきか。我が家でも子供、女房、私と、
順番に夏風邪を引いて苦しんだ。高熱、せき、のどの痛み、鼻詰まり。
それがいっこうに良くならない。一度良くなったと思ったら、またぶり返した。
仕事にはならないし、家に居ても子供の世話で休めない。
連日暑い日が続いて、いらいらもしてこようと言うもの。
買い物などに出掛けて、店員の態度が悪かったりすると、本当に頭にくる。
まあ、今はなんとか回復してきました。皆さんもお体お大事に。
*例のよって、この文は今現在のものではありません。
私も家族も元気です。ご心配なく。

2008年5月19日月曜日

2001年4月号「親父の小言」


 以前入った居酒屋で、こんな張り紙を見かけた。面白いので、一部抜粋してみる。
「火は粗末にするな。恩は遠くから返せ。人には馬鹿にされていろ。
家業には精を出せ。働いて儲けて使え。人には貸してやれ。
ばくちは打つな。大飯は食うな。世話焼きにこるな。人の苦労は助けてやれ。
朝は機嫌よくしろ。年寄りはいたわれ。初心は忘れる勿れ。
借りては使うな。不幸は言う可からず。難儀な人にはほどこせ。
大酒は飲むな。怪我と災いは恥と思え。小商いものは値切るな」等々。
女房がこれを見て、中でも、人には馬鹿にされていろの所を読んで、
眼からうろこが落ちるような気がした、と言った。
*先日からmixiと言うのを始めました。

2008年5月18日日曜日

2002年1月号「七福神」


 一度、七福神巡りをしたいと思っている。わざわざ遠出をするまでもあるまい。
タウン誌片手に、散歩がてら、わが町の七福神巡りをするのだ。
物見遊山気分で、一度に七つもの神仏を回り、
あらゆるご利益を戴いてしまおうと言うわけだ。
商売繁盛の恵比寿。豊作の神家の神の大黒天。守護神の毘沙門天。
学芸の神の弁財天。招徳人望の神の福禄寿。富貴長寿の寿老人。
笑門来福の神の布袋尊。華やかじゃありませんか。
信仰心を持っているかは、横に置いて。日頃の運動不足を補いつつ、
神々の御像を芸術鑑賞と洒落てみよう。
普段なにげなく暮らしている町に、意外な発見があり、
驚きに満ちた一日の体験になるかもしれぬ。さあ、出発だ!

2000年10月号「大黒天」


 出世、開運、財富招来の福神とされる。
大黒様が打ち出の小槌を一振りすれば、望みのものが授けられると言う。
巷間で人気ナンバーワンの神様だ。ところがそのルーツを探ると,
意外にもインド、ヒンドゥー教の破壊神シヴァだと言う。
何故、破壊神が福神になったのか。ちょっと不思議な気持ちになるが、
ここに福神信仰の秘密があるのだ。
禍福はあざなえる縄の如しと言うが,
棚ぼた式の幸運は、ちっとも本人のためにならないのだ。
宝くじが当たった男が、その後急に友達が増えた。
彼は人間不信に陥って、全財産を燃やしてしまった。本当にあった話です。
逆に試練が人を鍛え、大きくすることもある。
我々はこれから幸せになるんだよ。

2008年5月17日土曜日

1999年6月号「毘沙門天」


 七福神を続けて描いている。
以前、千客万来と言う絵を描いた時に、七福神の資料を集めたわけだが、
折角だからお一人お一人(一柱かな?)、描き分けてみたくなったのだ。
調べて見ると毘沙門天は病魔退散、財宝富貴の福神だとある。
それでは我々にとっても、頼もしい神様ではないか。
こうして始めた七福神の切り絵が万一売れるようなことになれば、
正しく七福神のご利益ではないか。
*このブログを始めて3ヵ月半。未だなんら仕事に結びつきそうな反応は無い。
世の中、甘くはありませんね。ははは。

2008年5月16日金曜日

2000年2月号「布袋尊」


 七福神の中で唯一、実在したと言われている布袋様は、中国のお坊さんだったとか。
貧しい人々に施しをしながら、布教の旅をした。
発財菩薩とも言われ、家庭の守り神として親しまれている。
悠々自適、楽天的な生き方が、当時の人々に,至福の象徴として受け入れられたと言う。
私もこれを描いていて、布袋さんはどの資料を見ても、
着物の着付けはだらしないし、お腹も丸出しで、
人間臭くて神様を描いている気がしなかった。
しかし我々にとっては、このような神様がいらっしゃると言うのは、
実に頼もしいではないか。無自覚の完全主義がこうじて、
世間を生き難くしている仲間が、どれだけ居ることか。
我々も布袋さんを見習って、肩の力を抜いて楽に生きましょう。
*この印からは只今現在のことです。
*昨日から板橋切り絵展が開催された。
私の絵も4点飾ってある。観に来てくれた皆さん本当にありがとうございました。