2009年1月10日土曜日

人口の数だけ顔が違う。

今、日本の人口は何人だろう?
それはさておき、1億人の人が居たら、その顔も1億通りあるはずだ。
総ての人間が、人口の数だけ、オンリーワンの
自分だけの顔を持っている。
それを全部とは行かないまでも、出来る限り描き分けてゆきたいと思っている。
僕が始めて似顔絵を描いてもらったのは、原田タカオさんと言う、絵描きさんで、
似顔絵の世界で、一番尊敬している似顔絵の神様のような人だった。
その頃の僕は自分の存在感が感じられない、辛い時期で、
心は常に孤独だった。
たまたま出会った原田さんは、僕をお宅に招いてくれて、
いきなり似顔絵を描いてくれたのだ。
原田さんは下書きもせずに、絵が相手に見えるように描いてゆく。
僕は目の前に自分の顔がどんどん描かれてゆくのを、ただ呆然と眺めていたのだ。
それを観ながら、自分の心がじわじわと癒されていたのが、今ならわかる。
存在の希薄に病んでいた心に、一服の清涼剤を与えられたようなものだった。
似顔絵には人を癒す力がある。そっくりならなおさらなのだ。

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