
JR国立駅近くにある喫茶店の写真を、
切り絵の題材になると思って 撮ったのは、
もう15年ほど前の事 だ。
今回やっと、取り掛かることができた。
今までに何回かやろうと思っては、
どこから手をつけたら良い ものか、考えあぐねて、
結局今まで 来てしまった。今回あらためて写真 を見て
「いけそうだ!」と言う気が したのだ。
何事にも、相応しい時と言うものがあるようだ。
そしてその 時の来るまでの間は、
何もしていな い様で、そうではない。
自分の技術 が育つまで、
じっくりと熟成の時を 送っているのだ。
例えば桜の花の満 開の時に、
人はその見事な花の色を愛で、感嘆の声をあげるが、
その開花の前に極寒の季節、
枯れ木のよう な姿で、春を待っていた、
桜の時間があることを忘れてはならない。 オ。