2016年5月25日水曜日

「江戸川乱歩」





1894年~1965年。推理作家。大正から昭和にかけて活躍した。本名は平井太郎。ペンネーム江戸川乱歩はアメリカの作家、エドガー・アラン・ポーに由来する。本格推理小説でスタートしたが、後に幻想・怪奇小説、犯罪小説へと変わっていった。段々とグロテスクなものが多くなっていった。僕も青年期に夢中になって読んだが、初期の「二銭銅貨」「心理試験」等の本格推理が後半「人間椅子」「陰獣」と言った薄気味悪いものに変わっていった。一般大衆にはこうした通俗小説の方が受けて、映画化もされて一躍人気者になった。少年探偵団や怪人二十面相の映画は僕の少年期の記憶にもしっかりと刻まれている。新人の発掘育成にも力を注ぎ、高木彬光、筒井康隆、大藪晴彦などを世に送り出した。この切り絵の似顔絵は週刊朝日の似顔絵塾に入選した。
描き甲斐のあるいいお顔だ。    オウスケ。

2016年5月2日月曜日

エノケン




本名榎本健一。1904年~1970年。
俳優、歌手、コメディアン。第2次世界大戦前後の日本で活躍した。日本の喜劇王と呼ばれた。小柄な身体で嗄れ声を張り上げて、元気に歌い踊る姿に、僕は何故か哀愁を感じたものだった。紙面の都合で生い立ちを詳しく書かないが、この人は苦労しているのだ。舞台で左足に怪我をして脱疽を発病し足の指を切断した。その後まだ26歳の息子さんを亡くし、病魔の再発により今度は右足を大腿部から切断した。失意の中で自殺未遂を繰り返すなど不幸な時期を過ごした。病床を訪ねた自らも撮影で指を失っているアメリカの喜劇王、ハロルド・ロイドの励ましにより生きる気力を取り戻した。その後精巧な義足を得て舞台、映画に復帰した。活躍もしたけど苦労も並大抵では無かったですね。お疲れ様でした。僕も頑張らなきゃと思います。オウスケ。