2008年2月23日土曜日

2001年6月号「百八態羅漢図」


 東京きりえ美術展に出品した作品。
原画はすごく大きくてA全版一杯ある。制作に一ヶ月は掛かった。
毎朝仕事に行く前に30分から1時間取り組んだ。
完成したころには体中が肩凝りのように痛くなった。
内容は川越の五百羅漢をモチーフにして、
人間の百八つの煩悩を描きたいと思った。
羅漢と言うのは悟りを求めて仏道を歩む修行者のこと。
ここでは未だ悟りに至らずに苦しみの渦中にある姿を描きたかった。
自分を卑下して落ち込んでいる人。
有頂天で舞い上がっている人。
被害者意識の塊でいつも怒りに捕らわれている人。
事態を受け止めず眠りを貪っている人。
どの羅漢さんも苦しんでいる。
現在苦しんでいる友の一人ひとりの顔を思いながら描かせてもらった。
*この絵の原画は、浅草郵便局斜向かいにある、
古書店「きずな書房」の店内に飾ってあります。
本物がご覧になりたい方は,お出掛け下さいませ。

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