2008年2月15日金曜日

2001年10月号「ゴッホ・レクイエム」


 フィンセント・ファン・ゴッホ、世界中の多くの人に愛され、
親しまれてきたゴッホの絵画には、
彼の辿った人生の苦悩と葛藤、そして狂気が、
凝縮されたかのように描かれていて、それゆえの人気とも言えるのだろう。
ゴッホの出生当時、彼の母親は、
夭逝したすぐ上の兄の面影を彼に重ねて育てた。
こうしたことが成長期の彼の人格形成に与えた影響は想像以上のものだろう。
頑固で気難しい、人との関わりを上手く結べないゴッホの誕生だ。
彼の人生を見ていくと、失恋、転職、伝道師としての挫折。
弟のテオの援助を受けながらの画家としての生活。
アルコール中毒、耳きり事件、精神病院と、
私にとっても他人事とは思えないのだ。
彼の魂へ鎮魂の思いを込めて。

0 件のコメント: