2008年4月14日月曜日

2004年4月号「堕ちる」


 いきなり堕ちてゆくんですね。
理由も何もわかりゃしないですよ、こう云う時は。
兎に角、頭の中は真っ白になっちまってて、どこか遠くから、
ウワァーッなんて叫び声が聞こえてきたと思ったら、
それは自分がわめいている声なんですよ。
まあ恐いなんて言葉じゃ足りませんよ。どうにも止まらない。
どうすることも出来ない。でもどんどんどんどん堕ちてゆく内に、
なんだか諦めのような、観念しちゃったような、静かな気分になってきたですよ。
それで、ああそうか、あの時得意の絶頂でわたしゃ、
自分を見失ってたんだなって事が見えてきた。
ストップをかけるべきだったって、気が付いたですよ。
ところがそん時にゃあ、もう後の祭り。遅すぎたって訳ですよ。
*この文は作っているのものなので、ご心配なく。

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