2008年3月27日木曜日

2001年3月号「さてどうしたものか」


 暗い湖面を背後にたたずむ一人の男。
何か考え込んでいる風情だ。悪相である。
となれば悪巧みを練っている様に見えてくる。
奸計ををもって国を乗っ取ろうとしているのかも。
誰と誰が味方で、誰を陥れて、誰は利用してとか。実に嫌な奴である。
でもちょっと待てよ。暗い画面と悪相の男。
これだけの情報で、このように決めつけてよいのだろうか?
夜の湖畔で、遠く離れた故郷の家族のことを想っているのかもしれない。
悪政に耐え、この国を何とかしなければと、苦悩しているのかもしれない。
顔が恐いのは生まれつきかもしれないではないか。
我々は何と目先の印象だけで、簡単に物事を決めつけてしまうことか。
自分で描いたこの人物の設定、さてどうしたものか。

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