2008年3月30日日曜日

2003年10月号「荒れる」


 連日熱帯夜が続き、眠りは浅く、疲れを持ち越したまま仕事に出掛ける。
夏休みは稼ぎ時だ。私達似顔絵描きの仕事は歩合制なので、
夏休みなど長期休暇のシーズンは、出来る限り頑張っておかないとならない。
一ヶ月で普段の月の2倍ほど稼いで、その余分を駄目な月に回すことで、
やっとこ暮らしているのだ。
暑くたって、子供が泣いたって、良く寝てなくたって、頑張る気でいたのだ。
ところがこの期に及んで、現場の上の方から場所を移れとかいってくる訳。
先方から指定された場所に入って見ると、オーマイガーッ!
ここにはお客様なんて来やしないのだ。
肝心要の稼ぎ時に、この仕打ちはないでしょう。
こっちは生活が掛かってるんですよ。憤懣やるかたないです。
*例によって、この文章は現在のものではありません。ご心配なく。

2 件のコメント:

さいとうあきら さんのコメント...

解ります解ります、僕も嫌というほど味わいましたから(^^)
こういう感情を文章や作品に昇華できてたんだね。会社の利益の中で犠牲になって、割り切れない気持ち。
でも、伊原さんの時は、もっと競争が激しくなったので大変だったんじゃないかなぁ。
江戸みたいに気楽にやって行ければ、いいのになぁ。

伊原桜祐 さんのコメント...

有難う。確かに自分の心に生まれたマイナスの感情を、こういった作品にしてしまうというのは、ある程度救いになります。かと言って現場は変わるわけでなし、参りましたよ。この気持ち、分ってくれる人が居るというのは、嬉しいです。本当、マイペースでやれたら、どんなに良いか。