2008年3月6日木曜日

2001年7月号「千体観音・光転の連鎖」


 百八態羅漢に続き自分なりの仏画を描いた。
京都・三十三間堂の千手観音からイメージを膨らませた。
観音様のことを施無畏者と言うのだそうだ。
恐れのない気持ちを施す者の意味。
私達のような、忍土でもがき苦しんでいる者を、哀れと思い、
その苦しんでいる最後の一人まで救い取ることが出来ないうちは、
自らもあえて如来とならない。と言う本願を立てた仏様なのだ。
そのような志高き一人の人間の、愛に満ちた行いが、
周りの人々を感化し、次々に連鎖して広がってゆく様を、
曼荼羅の様式を借りて描きたかった。
心の上に刃を置くと書くこの忍土において、
人の苦しみ我が苦しみ、人の喜び我が喜び。
と感ずることが出来たらと思います。私の理想です。

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