2008年5月5日月曜日

2002年6月号「男と海」


 美術学校生の頃、船旅をした。デッキから眺めると360度ぐるりと海だ。
水平線がなんとなく丸みをおびて見えた。
「なるほど地球は丸いと言うのは本当だな」と一人で納得した。
この海の水は世界中の海岸とつながっている訳だ。
川を遡ればあらゆる国の内陸までつながってもいる訳だ。
また視点を変えれば、海は生命の源でもある。
生活のために毎日くたくたになるまで働いている、
忙しい日常から離れて、ふと海を観に行きたくなる時がある。
海を間近で眺めていると、懐かしいような、怖いような気分がするのは何故だろう。
遺伝子の中の生物進化の記憶が、うずいているのかも知れない。
ところでこの絵を見て女房が言った。「なんだかやつれた阿部寛みたいね」

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